2008-09-30
■ [雑談]日本語プログラミング ワークショップ
行ってきました。
会場が会場だけあって、普段行くような勉強会とは違う、アカデミックな感じでした。
以下レポート。
東京に至るまで
足代をケチって夜行バス(OCAT->東京駅)で。
初めての夜行バスでしたが、まあ寝られなくはないですね。でも、寝ている時間はともかく、熟睡度はMLながらでのほうが高かった気がします。
集合するまで
時間までに、靖国神社あたりでもお参りに行こうと思ったですけど、飯田橋まで行って、意外と距離があることに気づいたので近そうな東京大神宮に変更。靴擦れが痛かったので、あんまり歩きたくなかったんです><。
ところで、東京の交通網って何かすごいですね、流石首都。同じ駅使ってるのに違う路線とか、迷います。
その後秋葉原に移動。この時点では8時すぎ、まだまだその辺の店が開くのには時間がありましたので、例のごとくネカフェで休憩。メールチェックとか靴擦れの応急手当とかしてました。
そんな感じで10時過ぎ、やっと店が開いてきたのでパーツ屋巡り。電子パーツ/PCパーツをいろいろ見て回りました、PCパーツは事前チェックが甘かったので目当てのもの(Inspiron4150の冷却ファン)が見つけられませんでしたが、電子パーツのほうはさとーさんに教えてもらったところを回ってほくほくでした。買ったのは秋月でFMトランスミッタキットだけですが、いろいろ電子パーツを見て回るのは楽しいです、夢が広がります。
始まるまで
そんなことしているうちに、時間が近づいたのでお茶の水に移動して、クジラ飛行机さん、楠岐さん、99円さんと合流、そのままchocoさんの待つ喫茶店へ。
喫茶店では、chocoさんが席を確保していてくれていました。SWinXさんもすでに来られていたそうですが、私たちを向かえに行かれたというので、どうやらすれ違いになった様子。
しばらくすると、SWinXさんが戻ってこられ、続けてEZnaviさんも到着。その場では、発表をするお三方のスライドを拝見したり、原因のよく分からないバグの再現方法を聞いたりしていました。
14時半を過ぎると、そろそろ会場へということに。会場まで徒歩数分は偉大。
それにしても、流石明治大学、建物は大きいし、きれいですねぇ、うちの学校とは大違いだ。
会場はPC付き教室、会議室みたいなとこかと思っていたんですが違うんですね。スクリーンはないですが、それぞれの机にモニタがあるので問題なし、というかこっちのが見やすい。
ついたときは、何人かの先生方と、うちらぐらいしか居なかったのですが、開始が近づくにつれ続々と人が集まりほとんど満席(30名強)に。その後、ワークショップが始まった後もちらほらと来られる方がいました。
ワークショップ
はじめに主催の阪井先生の挨拶がありました。そこそこにして飯箸先生に替わられましたが。
飯箸先生
プログラムでは「挨拶」となっていましたが、がっつりとした「講演」でした。
日本語プログラミング研究会/SH情報文化研究会などで、日本語プログラミング言語各種の支援の他、日本語プログラミングに関しての学会発表も行われているそうです。
この講演の主題は、「日本語と日本語プログラミング言語」ということで、日本語文法のお話でした。
日本語の文法は複雑/複合的で、簡単にオブジェクト指向風に解釈することは出来ない、という話はとても興味深い。オブジェクト指向で識別子解決をすると、どうしてもどれと結合させるかというのが難しい問題です。
既存の文法以外の、より適切に日本語を表すことが出来る文法の追求は期待したいところです。
筧先生
アツい、アツいです。この講演だけでも東京まで行った甲斐があると言えるぐらい、アツくて興味深い講演でした。このスライドの公開はないんでしょうか?是非とも公開すべきだと思うのですが。
>みんな器用にすぎるから
この表現は面白い表現だなと思いました。日本語で考えたものを"舶来"のプログラミング言語で作るということは、器用じゃなければやっていけないと。
>さらにクラスライブラリによって、概念構成まで"舶来"に…
クラスライブラリって概念構成の集まりなんですね。これを、ただ単純に語彙を置き換えただけでは、日本語/日本語プログラミング言語には合わない。意味や概念まで翻訳/解釈して落とし込まないといけない。
それでふと思ったのですが、日本語プログラミング言語って、日本(語)的概念と欧米(語)的概念の通訳なんだなと。今更かもしれませんが。
>コンピュータは生活文化の中に。生活文化は日本語の上に。ならばコンピュータ/プログラミングもまた日本語の上に。
コンピュータ上に横たわる欧米概念に対して、日本語プログラミング言語がそのレイヤをはがして、よりコンピュータと日本語で密接に関われるようになるというのは素晴らしいことです。
>極めたのか?極めようとしたのか?
日本語プログラミング言語はまだ発展途上。いまだ極みとはほど遠く…
先生のおっしゃるように、「待っていても外の人は作ってくれない」、自分たちで作らないと行けない。
>やるべきこと
まず第一に、日本語での命名。語彙の翻訳ですね。まずこれをしないと行けない。でもこれは結構なところで試みられていますよね。
次に構文の日本語化。これもいろいろ試みられていますが、これまでのものに至高のもはあるのでしょうか。まだまだ試行錯誤が必要でしょう。
そしてクラスライブラリ。これはコンピュータ上に日本語概念世界を構築するって事ですね。
最後に応用プログラム。つまりは実用性。理論的に優れていても、実際に使えるところを示さなければ広まらない。セルフコンパイルが出来たり、IDEがその言語自身で書かれているというのもポイント。
クジラ飛行机さん
なでしこ。
なでしこは動機が実用指向。素早く仕事を片付けやすいように機能がまとめられています。
WEB上のアンケートより、幅広い年代(10代から80代!)、職業の方に使われているようです。
また、定期的な更新(ほぼ一ヶ月ごと)があるのも特徴です。
岡田さん
言霊。
言霊は動機がアカデミック。文系学生の論理教育などにも利用されています。
今回は、言霊の話はそこそこに、Javaと言霊、同じ事をするコードを見せたときのプログラマと一般人の反応について。
プログラマは「気持ち悪い。Javaなら分かる」、一般人は「これなら分かりそう。Javaは意味不明」。
まあ、よく聞く反応ですね。私も「全角文字でプログラムを組むこと」が気持ち悪いとか聞いたことがあります。
なぜこの反応の差が出るのかを、岡田さんは「字句解析が出来るかどうか」「構文解析が出来るかどうか」「解析語順であるかどうか」によるという仮説を唱えています。
プログラマは、プログラマとしての常識からコードを見るので、言霊のトークン区切りを認識しづらく、一般人はJavaの文構造を見いだしづらい。その他いくつかの感覚の差が、2つの反応を生み出しているのだと。
この反応、伺かでの里々と文/華和梨の関係と似てますね、というか同じですね。となると、やはり一般人の反応の中には英語恐怖症によるものが混じっているんでしょうね。
しかし、プログラマがすべからく日本語プログラミング言語に拒否反応を示すものでもないと思います。この前のわんくま勉強会でも、少なくとも一部からは好意的な反応をもらっていますし。
話を戻して、岡田さんはプログラマが日本語プログラミング言語を嫌う理由として、言語文法と日本語文法の不整合や、シンタックスシュガーによるごまかしからくる「あいまいさ」であるとされています。そしてこの解決法として、2つの案を提案されていました。
1つはシンタックスシュガーをより多用して、文の曖昧さを無くす方法。つまり情報量を増やしてエントロピーを下げる。ただ、これは非常に冗長、何か書くのが嫌になりそう。
もう1つはシンタックスシュガーを一切無くす方法。すべての語句をスタック命令にしてスタック言語にするという事らしいですが、これって今のなでしこの実装とよく似ている気がします。
ゆうとさん
プロデル。
プロデル(TTSneo)は動機が知的好奇心…なのかな?語順がより日本語らしくなることを追求しているように見受けられます。
個人的には、それぞれ一文が日本語っぽくあれば、関数やクラスに類するものの構造は、マニュアルとかレポートとかのように、段落&箇条書きでOKかなと思うんですが。表組みや箇条書きだって日本語には変わりないですし。
とまあ、そんな話は置いといてプロデルの話。
プロデルは各種機能を、名前空間/クラスで階層化して実装するようです。なでしこでは名前空間をネストできないのでうらやましい限りです。
また、DLLが作成可能らしく、プロデルでプロデルのプラグインを作成可能とか。うーんこれも素晴らしい。
さらに、プロデルはGUIデザイナが高機能そう!何か良いことだらけですね。
後半はIRCクライアントの作成実演だったのですが、あらかじめ用意してあったIRC通信ライブラリの定義を見てみると、どうやらライブラリの初期化ブロックがある模様。やっぱりそういう機能は必要ですよね。
尾崎さん
マイクロワールドEX。
尾崎さんは言語作者ではないけれど、教育用、学校向け言語のマイクロワールドEXの日本語ローカライズ版を販売されているそうです。
マイクロワールドEXはロゴ言語ベースのマルティメディアプログラミングが出来るソフトらしいです。
作成したプロジェクトをブラウザ上で見られるように出来たり、LEGOマインドストームなどの制御も出来る優れものです。
尾崎さん自身は、元々アスキーの設立の頃からのメンバーで、当時よりロゴ言語のプッシュはされていたです。
しかし、MSとの提携の関係(BASICと競合する)や、MSXの学校納入不可などから、なかなかうまくいかなかったらしいです。
事例報告 99円さん&chocoさん
発表の最後はお二人によるなでしこを使っているものからした発表です。
99円さんのは初めてとおっしゃっていましたが、なかなかどうして、良かったじゃないですか。少なくとも私と比べると。あれだけ喋れていれば十分な気がします。
どう書く.org、ここのところあんまり見てませんねぇ。やるだけやって投稿してないのとかもあるし、今度まとめて投げておこう。
chocoさんはやはり実務で利用され、さらにパッケージソフトまで作られているので、言葉に重みがあるように感じられました。
やはり、ある程度の規模を持ったソフトが作成出来るというのは、アピールポイントとして有効ですね。
群れ討論
討論しないでSWinXさん、yukさんとなでしこのデバッグしていました。
でも、そのおかげでタスクトレイまわりの微妙な挙動が正せそうです!お二人のデバッグ協力に感謝!
懇親会
懇親会は大学近くの中華料理屋にて。
席は適当に座ったのですが、何か私の回りに尾崎さん、飯箸先生、タイムインターメディアの藤原さんという、なんだかすごい人が集まって緊張しっきりでした。というか、何話したかあんまり憶えていないという…、だめだめやね。
というわけで順不同、適当に。
藤原さんは最近アルゴリズムを書かないプログラミングをやっているそうです。論理型言語とか推論エンジンとかその類でしょうか。
yukさんと岡田さんは、プログラミングをするのに「とにかく動かせる」のがいいか、「基礎的なところが学べる」のがいいか討論めいたものをされていました。これは今すぐ使いたい側と、仕組みを教えたい側のスタンスの違いなんでしょうね。
尾崎さんに、私が制御とか電気の方も学校でやっていたというと、回路シミュレータを紹介されました。これは先生にも言ってみるべきなのか、でもうちの学校何かすでにシミュレータ使ってたような…
10時を過ぎるとさすがに撤収の雰囲気。店から出て、地下鉄組とJR組に分かれました。私はJR組。
道すがら、SWinXさんと少し伺かの話をしました。私のうかべんでの発表で、興味を持っていただけたご様子。伺か側でもセキヤさんなどなでしこに興味を持ってくれた方がいて、私の発表が双方の交流にちょっとでも役立っているならば、それはありがたい限りです。SWinXさんとはもう少しお話しできたら良かったんですけども。
駅に着くと、新宿組と東京組にさらに分かれました。私は東京組。
同じく東京方面に向かう岡田さんと、短い時間でしたがお話しできました。話題は私の学校の話から電子パーツの話へ。こんなところでRLCの電気特性の話をするとは思いませんでした。……間違ったこと口走っていなかったか少し心配ですw
帰路
東京駅で岡田さんと別れた後、八重洲口でバス待ち。
帰りは青春メガドリーム号で、行きよりさらにグレードダウン。2階最前列のため、いすの下に荷物置けない&ひどい揺れ。眠れはしたけど、首とか痛い…
大阪着いた後しばらく時間潰して、新大阪であるカタンの大会見に行こうかとも思ったけど、体力尽きたので断念。
……と、こんな感じでした。
どれも中途半端な感想ですが、ご容赦下さい。
それにしても、ワークショップに行けて本当に良かったです。東京行きでいろいろ面倒見てくれた親と、行けないなとスルーしかけていたところに背中を押してくれたさとーさんに感謝。
satos2008/09/30 06:23実際に専門としている人と会うと、やっぱり得るもの多いですから。お疲れ様でした。楽しんできたようでよかった。